選択肢を保護しよう!! 著作権法改正でCDの輸入が規制される 〜 行ってきました

つーわけで、シンポジウム、参加してきました。

混雑することを想定して、開始時間の50分ぐらい前にロフトプラスワン前につきましたが、もうすでに結構な人の列。ありがたいことに、少し早めに開場するとのことで、20分ぐらいで会場の中に入ることができ、無事イスも確保できました。月並みな言い方ですが、狭いロフトプラスワンが「立錐の余地も無い」状態。

行われたことの要約を上げてくださっている方もいらっしゃいますし、
http://symposium.seesaa.net/

2chあたりでもボツボツと意見が出ておりますので、個人的に興味があった部分と、自分の意見などを。

  • 今回の法案の目的とされる、邦楽CDのアジアからの還流は68万枚に過ぎず、全体量からすると、取るに足らない量であること
  • 翻って、日本に入ってきている洋楽の輸入CDは7000万枚。こういった数量の差から考えても、法案の影響が大きいのはどちらなのかは考えるまでも無い。
  • 日米税法条約の改正により、日本の大手レコード会社の売上に対して、日本の税金がかからなくなる。この条約が7月から有効になり、実施されるが、「輸入権」法案がこの時期にこれだけ急いでさせようという動きは何らかの関係があるという疑いを抱かせる
  • 5大メジャー以外のマイナーなレーベルや日本でプレスされていないCDについては幻族的に影響が無いが、この法案を実際に適用するにあたり、税関がどのCDが輸入可能であり、どれが輸入不可なのかを厳密に区別するようなことが難しく、結果として法的に輸入可能なCDにも影響が無いとは言えない。
  • 仮にこの法案が通っても、すぐに輸入CDが手に入らなくなることは無いであろうが、そのような権利を5大メジャーが一旦でも握ってしまうことに危険性があること

といったところでしょうか。

最後に来場者からの質疑応答タイムが設けられましたが、やはり関心が強いのかCCCDと絡めて、CCCDを買わざるを得ない、あるいはCCCDしかないために購入を控えるといった選択肢しか無くなるということを危惧するという発言が多く聞かれました。私は今回の法案の問題とCCCDの問題は分けて考えるべきだと思っています(輸入版で買ったクラプトンの新譜がCCCDだったため、国内版を買いなおすという苦い経験もあることもありますが。選択肢という言葉に隠れて、CCCDというテクノロジー的に不十分なコピーコントロール仕様を、しかも提供する商品の質すなわち音質というものを低下させて、しかも再生を保証しないという商品を提供することの是非という本質的な問題を見えにくくすることにつながると思うからです)。が、今回の件に限り、CCCDと絡めるのは問題をわかりやすくするためにはよいのかなとも思います。なにせ、6月まで時間が無いですから。

あと、CD以後の音盤規格にどういった仕様が含まれるのかという話が、来場者のレコーディングエンジニアの方からの発言が聞けました。場内的には、かなり驚きを見せていましたが、幾分彼の説明では、場内に誤解があったと思います。リッピングやリージョンコードの問題も述べられていましたが、このあたりは長くなりそうなので、後日にまとめたいと思います。

この問題が騒がれてから、思っている事は、一部の音楽ファンを除くとあんまり関係の無いことだということ。世の中の人の多くは、年に数枚程度のCDしか購入せず(買わないって人も少なくないし)、また、ましてや洋楽CDなんてまず聞かない人が多い。したがって、多くの人には、たいした影響が無い問題だということなんですが、翻って、この法案によって影響がある人、つまり今回のロフトのシンポジウムに参加してしまうような人たちであり、年に何十枚、何百枚(は、さすがにあまりいないと思うが)というCDを購入しているのだ。本来、彼ら(というか自分もそうだから我々かな)はレコード会社にとってはヘビーユーザーであり上客のはずなのに、このような法案によって権利を迫害されたり、CCCDみたいな、まるで人のことを泥棒呼ばわりするような規格の円盤を押し付けられたりしているのですから。これを皮肉といわずになんと言うべきでしょうか。

お得意さんを大事にしない業界に未来ってあるんですかね。