蛇にピアス 〜読了

金原ひとみ『蛇にピアス』
さっき読了しました。単行本でなく、『文芸春秋』の特集号。
深夜作業のために、今(4/19 2:34am)会社にいるんですが、行きの電車と休憩の30分ぐらいですから、たぶん、全部読むのに1.5時間もかかってないです*1

読後感ですが、内容としては刺激的で、ある世代のある女性の感覚の表れが表現されていて、それはVividに伝わってきます。そういった部分はこの作者の強みなのではないかと思います。
ただし、ひとつの読み物としてこの作品を捉えたとき、もう少ししっかりしたものが読みたいという感情が出てくるのは禁じえません。短編と中篇の間ぐらいの長さの作品で、決して長い作品ではないのですけれど、読了までの時間の短さがそれを表しているんじゃないかと…。一人称で描かれる、主人公の心理描写の部分が、淡々と、軽く流されていく感が物足りなさを感じさせる大きな部分だと思います。そういうスタイルだといってしまえばそれまでですが。

それにストーリーとしてはあまりに陳腐…。

この作品については、ずいぶん批判もあると思うのですけれども、あまりに未完成な部分が多いと感じました。逆に、それが今後の金原氏の作品に期待を寄せてもいいと感じる部分でもあります。

金原氏の次回作ももうすぐ発売されるそうなので、そちらも読んでみたいと思います。

*1:根性のある人は立ち読みでも完読できるっていうのはウソじゃないですね