日本女子代表(なでしこジャパン)−オーストラリア女子代表

東アジア女子サッカー大会2005 壮行試合
日本女子代表なでしこジャパン)−オーストラリア女子代表

昨日観戦してきました。試合中メモも取ってないし、TV中継のビデオもセットし忘れたので、記憶を手繰りながら書いていきます。

試合前の練習を眺めている限り、オーストラリア女子代表では、前回のニュージーランドとは違い、ちゃんとボールを止めたりする技術はしっかりしているようでした。目立つのはやはり身体が一回り大きいってコトですね。日本の選手も10代選手の永里優季宇津木瑠美を中心に身長が高くなってきていますが、やはり幅とかは違いますね。

スタメンは事前の情報どおり、前回同様、1トップに永里、左サイドバックには宇津木、そして右サイドバックには川上直子ではなく豊田奈夕葉が入りました。

キックオフ直後は互角の様相でしたが、徐々にオーストラリアペースになり、2点先制されてしまいました。失点のパターンとしてはどちらも同じで、一本のパスでDFの裏を取られる形です。
一点目は、裏に通ったパスを、磯崎が一瞬奪ったボールが足につかず、相手のFWにシュートを許し、二点目は相手のFWにタックルにいったところで、PKを取られるというパターンでした。

どちらの失点にも磯崎が絡んでいました。DFとして、相手に簡単に裏を取られていたこともありますが、ただ、一本のパスで裏を取られるというのはDFうんぬんよりも、チームの前線からの守備がうまくいっていないことの方が、大きいと思われます。試合開始から、相手のFWが大型の選手が一人と、小さいけれどスピードのある選手一人にうまくプレイされており、それを警戒するためか、DFの4人がそろって、最終ラインを形成している状態で、そのため、中盤がスカスカになっていました。このスペースを相手にいいように使われてしまったことが、2点を先に入れられてしまった大きな原因だと思います。また、攻撃面でも、中盤を省略した前線への入れポンサッカーになってしまい、中盤の酒井與惠柳田美幸だけでなく澤までもほとんどボールを触る機会がなくなっていました。

流れを変えたのは、宇津木がポジションを高い位置取りに変え、安藤梢が右サイドに張るようになったことがきっかけでした(ニュースサイト等では3-5-2にシステム変更とかかれていますが)。これで、両サイドで優位にたつことが出来、また、薄かった中盤がみるみる改善されました。

FKの折り返しから永里が一点目を決めると、宇津木と安藤がポジションを変えるなど、完全に二人はWBとして振る舞い始めます。同点弾は、左サイドで安藤から、左に流れた永里へのパス、DFとの勝負で裏に抜けた永里がクロスした球を大野が決めるという、理想的な展開。終了間際に、永里が3点目を決め、終わってみたら、前半で逆転していました。

前半を終えて思ったことは、右サイドの豊田があまり攻め上がりを見せることが出来ず、結果として、中盤の薄さやサイドで優位が取れなかったことに繋がってしまったことです。あと、4バックのときですが、何度か酒井にボールが入ったときに、川上になら出しているだろうパスが豊田には出されないという場面が何度かありました。

そういうわけで、後半から川上登場かなと思っていたのですが、メンバー変わらず、後半突入。大橋監督は、いい動きを見せている両WBをもっと見たかったのでしょうか。あと、3バックになってから、最終ラインをしっかりつとめている豊田にもっと出場の機会を与えたかったのでしょうか。

基本的には後半は前半のペースと変わらず、基本的には日本優位の図式のまま進んでいきます。酒井さんの得点シーンもありましたが、あんまり印象に残っていません。

途中、大野に代えて、大谷。安藤に代えて宮間あや、永里に代えて丸山桂里奈が投入されました。相変わらず、動き出しがいいです、大谷。もっと見たい。桂里奈タンは目立ってませんでした。あと、宮間はいいところを見せるには時間が無さ過ぎましたかね。澤さんが、「あやをつかって、あや!!」って声を出していましたが、あまりよいシーンを演出することは出来ませんでした。でも、最初は安藤に代わって、右サイドぎみに位置取りをしていましたが、いつの間にかさも当然のように、真中のポジションに居座っていました(爆)。しかも、澤さんがサイドに出てるし。宮間さん、そんなあなたが私は大好きです(爆)。

最終的には勝利という結果を得ましたが、気になる点があります。これまで、西ケ丘の3試合を見ましたが、このチームはCMFの酒井、柳田がボールを触ってなんぼのチームで、彼女たちが多くボールを触り、展開すればいいサッカーになるのですが、彼女たちの頭上をボールが行き交うようなサッカーになると、途端にダメダメになり、また、これまでの試合ではそのような時間帯が短くない時間発生していることです。また、これほどまでに重要なポジションにもかかわらず、サブに彼女たちに代わる選手がいないことも気になります。ニュージーランド戦では、中岡がいいプレーを見せていたのですが、今回は怪我で代表辞退となってしまいました。

この試合のMVPとしては、サイドで頑張った安藤と大きなFW相手にも負けていなかった下小鶴にあげたいです。

今日のメンバーで、右サイドに川上が入った形が、東アジア選手権のスタメンだと思われますが、この試合で出てきた課題を消化した上で、試合に臨んでほしいです。

あとは地震ですが、結構大きなゆれを感じ、少し慌てましたが、考えてみれば西ケ丘球技場はあの辺りの避難所なので、「一番安全なところにいるんだよな」と思い直しました。選手たちは気づかなかったのか、特に慌てる様子も無くゲームを続けていました。